2000 年 10 月 (後半)

 しんどいっす。というか、NIS、Active Directory、POSIX、I18n、 さらには W(略)r で IPv6 / IDN などなど、 とにかくやらにゃいかんことが多すぎる。


10 月 19 日 (Thu)

 ……ここ数日、ずっと疲れ気味である。

 唐突だが、「無敵時間」が欲しくなってしまった。 これは例えば、格闘ゲームで必殺技が発動した瞬間とか、 シューティングゲームで自機がやられた直後に当たり判定がなくなっている時間とか、 そういうやつである。しかし実際に一瞬だけ無敵になれたとしても、 仕事や日常生活においてはなんら役立たないことは、よくわかっている。 よしんばうまく無敵になれたとしても、 せいぜい横から飛び出して来た自転車をやり過ごせる程度 (ダンプカーはまず無理) だろうし、 さらには一度やられてしまえばそれで終り (残機ゼロ) なのだから、 復活後無敵に至っては全く意味がない。

 要するにここで最も重要なのは、 仕事の合間にこんなことを考えてしまったという、 あまりにも間抜け過ぎる事実から目を逸らしてはならない、ということだろう。 そう考えてはじめて、 明日からの一歩を新たに踏み出せる (という錯覚に陥ることができる) はずだ。


10 月 20 日 (Fri)

 中島らも / ミスター・ヒト著、 『クマと闘ったヒト』(ダ・ヴィンチブックス) を読了。 プロレス界の名伯楽として名高いミスター・ヒト (現在は引退してお好み焼き屋経営) が、 業界事情の裏も裏というか、 「そこまで言ってええんか」と心配にさせられるような話まで暴露してしまう、 かなりとんでもない読みものである。 ヒト氏の人柄と実績、そして何よりもプロレスに対する深い愛情がなければ、 これほど毒がありかつ笑える作品にはならなかっただろうこと、 そして本来おまけであるはずの注釈ですら、 本文に負けじとばかりに暴走している (本当にひどい) 点など、 総じて「怪書」の名にふさわしい稀有な存在である。


10 月 21 日 (Sat)

 日本シリーズ初戦は、5 対 3 でダイエーホークスの勝ち。 しかしというかやっぱりというか、ジャイアンツはホームランが出なければ、 試合らしい試合が全くできないのだから困りものだ。 長嶋監督の采配も、 あいかわらず何か変だしなぁ (まあこれは、以前からずっとそうなのだが)。 一方のホークスは試合中盤以降の底力がかなりあるから、 安定感ありまくりで、こりゃ優勝しそうだわ。


 というわけで (どういうわけだか)、 久々に深夜のプロレス放送を見ちまった……うーむ、やっぱ楽しいわこれ、 どうにも笑いが止まりませんな。


10 月 22 日 (Sun)

 先日の映像を見ていないので新聞の写真から判断する限りなのだが、 高橋尚子選手の始球式での服装は、 首の辺りがかなり変だと思う。


 日本シリーズ第二戦を見ていたのだが、 ジャイアンツが 3 点リードした時点で居眠りしてしまった。んで、 目が覚めたときには 6 対 3 でホークスがリードしていている始末。 というわけで心おきなく、 NHK スペシャル『世紀を越えて・IT 公開技術の衝撃』にチャンネル切替え。 この状況でジャイアンツが勝てる確率は、ほぼ皆無だからね。

 で、NHK スペシャルなのだが、 徹頭徹尾「マイクロソフト対リナックス」 (not "Microsoft Windows vs Linux") て感じで、 どうも話が単純に過ぎますな。まあ、BSD なんて単語がでてくるとは、 全く期待していなかったのだが。 しきりに強調している「公開技術」というのも、 一時流行った (一応まだ現在進行形だが) 「オープンソース」とは異なる概念のようで (だから「VHS vs β」なんて図式が唐突に挿入されたりするのだろう)。 さらには「なぜ中国に着目したのか」という理由として、 「21 世紀に残された魅力的な市場」という以上に説得力ある要素が無い点でも、 全くもって消化不良というか、つまらない番組だったといえる。 「中国における OS のシェアでは Windows が 90% 以上を占めているが、 パソコン普及率は全国民の 5 % 程度なのだから、 今後 Linux が普及する余地は充分にある」という話にしても、 これは「中国がまともに経済発展する」ということを前提としての議論であるから、 ずいぶん怪しいものである。

 番組終了後チャンネルを再び切替えたが、果して 8 対 3 でホークスの勝ち。 やっぱりジャイアンツは逆転できませんでしたな。 このまま日本シリーズで 1 勝もできずに終った結果、 「長嶋監督、やっぱり引退」というのが僕としては理想的なのだが。 だってどう考えても、長嶋采配はまずすぎるもん。


 それにしても、どうにかして森総理を辞めさせる方法はないものか。 北朝鮮の拉致問題に関する「第三国での発見」発言を筆頭として、 どうにもこうにも「国益」なるものを全く考えてない言動が多すぎる。 随分前ではあるが、村山内閣が誕生したときには半分本気で、 「国外脱出しようかしら」と思ったものだが、 現在の森政権はあの時と比しても酷すぎるというか、まったく話にならん。 村山のトンちゃんは神戸の大震災の時をはじめとして、 在任中特に何もできなかったとはいえ、 自らマイナスへ突き進むということは特になかったからな (何もできないというのは、それはそれで問題ではあるが)。 本当にどうにかならんものかな、 間違いなく戦後最悪 (というか憲制史上最悪?) のアホ総理だし、 これ以上のさばらしても何の利益もないはずなのだが。


10 月 29 日 (Sun)

 ここしばらく風邪ぎみかつ金欠ぎみにもかかわらず、 昨日は結婚披露宴に出席しなければならなかったりして、もう大変だったっす。 やっぱりある程度の金が無いと、人間ヘコむもんですな。

 で、日本シリーズだが、 「平日では試合がみられないじゃないか」なんて呻いているうちに、 結局ジャイアンツが 4 連勝で優勝を決めてしまってやんの。 僕の一週間前の予想 (もしくは希望) はあっさりと裏切られる結果になったが、 まあしかたないか。「結局は金のあるところが強い」というのは、 実にわかりやすい理屈だなぁ (わかりやす過ぎて面白くもないが)。


 中川官房長官の辞任は、ありゃ当然だろうな。 そもそも、ああいった醜聞がマスコミに報道されるのを抑えられないところからして、 政治家的にはとうとうヤバいと思うのだが。 後は、森総理の一刻も早い退陣を望むだけなのだが。


10 月 30 日 (Mon)

 あまりの空腹のせいか、午前 6 時前に目が覚めてしまう。 昨日の食事がカロリーメイト 100 円分と牛乳少々だけなのだから、さもありなん。 なんだか体が少々身軽になった気もするのだが、 やっぱりこのままの生活を続けるのは難しいだろう。もってあと 2 日か。 ああ、早く給料が振り込まれないかしら。

 仕方がないので新聞やらテレビやら見て暇つぶししていると、なんとロシアでは 「孫を臓器ブローカーに売ろうとした叔父と祖母が逮捕」 なんて事件が起こったということで、朝っぱらから嫌な気分にさせられてしまう。 「これで貧しい国での営利を目的とした臓器売買問題は、 もはやアジアのみならず世界中に広がっていることが実証された」、 なんて陳腐なコメントも、何を今更という気がするけど。

 で、以前僕がどこかで脳死臓器移植に反対する旨の発言をした時に、 その場で「国内での脳死臓器移植で、海外での臓器売買を防ぐこともできる」 といって反論されたことを思い出したのだが……やっぱりそんな訳ないですな。 (あの時は家に帰ったあとでそう気づいたのだが)。 脳死者の臓器は慢性的に不足するものと相場が決まっているのだから (脳死になるのは極めて稀なこと)、 法律をどういじくったって国内だけで供給が満たせるはずはないと思われる。 むしろこのまま下手をすると、 日本人が世界中の臓器を公然と買い漁るようになるかも知れないでっせ。


10 月 31 日 (Tue)

 おお、やっとこさ給料が振り込まれた……ぃよっしゃぁあ! これで極貧生活はひとまずサラバじゃ。クダラナイ本も沢山買えるぜ、イェイ。


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Takayoshi OHNISHI
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Last modified: Mon Nov 6 02:38:30 JST 2000