鼠のおかげでここ暫くの間、まったく調子がでなくて困る (何の調子だか)。
昨晩帰宅したら、部屋の中がひどく荒らされていた。 当初は賊かと思ったが、金目のものは全て無事。 後に小動物のものと見られる足跡や糞を発見したため、 おそらくは鼠かなんかの仕業であろうという結論に至る。 とりあえずこのままほっとくわけにもいかないので、 捜索がてら部屋を片付けているうちに、 全長 20cm 以上の茶色いドブネズミがひょろっと姿を現したので、 こいつを捕獲せんと数時間格闘す。で、1 度はこの鼠野郎の捕獲に成功したものの、 コーヒー缶の中に閉じ込めておいたのが失敗で、 プラスチック製の蓋をかじられてしまい、脱獄を許してしまう羽目に。 その後再び 1 時間くらい格闘したものの、 もはや 2 度目の捕獲は不可能という結論に至り、 結局窓を開けて強制退去していただいた。
ああしかし、なんであんなのが家の中に紛れ込んだりするのかね。 しかも鉛筆やら、雑誌、櫛の歯とか薬品類、 さらにはセーターやダッフルコートの木製の引っかける部分 (正式名称は何だろう) とか、いろんなものがかじられてボロボロだし、 さらにはあちこちに糞がポロポロと落ちている始末。もう、 やる気も糞もありませんわ。
町田康の最新エッセイ集、『耳そぎ饅頭』(マガジンハウス) を読了。 エッセイ集にこんな題名をつけるセンスもすごいが、 著者の用意周到な偏屈ぶりも相変わらず。 収録されたエッセイの多くが、「こうも偏屈ばかりじゃいかんので、 ちょっとあそこへ出かけてみようかしらん」という展開ばかりなのが少し気になるが、 そこはさすが町田康、その語り口だけでも十分魅力的。 でも他人に奨めるなら、『くっすん大黒』だな。
昨夜 R 師匠の車洗いを手伝ったせい、かどうかは知らないが、 過労気味で終日ダウン。情けなや、もう若くはないもんな。
福田和也『作家の値うち』(飛鳥新社) を購入、 とりあえずさらりと眺める。本書は、 エンターテイメントおよび純文学の現役作家それぞれ 50 名ずつの作品を、 100 点満点で採点するという方式で評価したブックガイドである。 がしかし、少しでも福田氏の著書を読んでいるなら納得できることではあるが、 人気作家・ベストセラー作家だからといって全く遠慮することはない。 鈴木光司や渡辺淳一、 船戸与一等の作品を「人前で読むと恥ずかしい」と酷評する一方で、 村上春樹や石原慎太郎、古井由吉等は「世界文学レベル」だとベタ褒め。
福田氏が本書を上梓した意図は、 直接には現在の作家・出版業界に対する挑戦であるが、 間接的には一般的な読書家に対しての挑戦でもある。すなわち、 「俺の評価が気に喰わないなら、まず自分で読んでから文句を云ってくれ。 しかし俺は 500 作品以上読んだけどな」ってなこと。で、 実際には 60 点以上の作品だけを読めば大体 OK だろうというわけで、 そういう点ではなかなかのサービスぶりでもある。 福田和也本人やその言動に対して拒絶反応を覚えるなら仕方ないが、 そうでない読書家なら、一冊手元に置いといても損はないかと思います。 ブックガイドとして利用しなくとも、 「こんなにうまい褒め方・貶し方ってのがあるもんだね」という一点だけでも、 十分楽しめるかと。
村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』(新潮社) を読み続けているが、 なんとも凄いというか、目眩すら覚える程に困惑させられて、たまらん。