研究の主題
近年、インターネットの利用者の増加や、マルチメディア技術の発達によって、大量のデータを広域に、同期的に取り扱う必要性が生まれてきている。この要求を満たす枠組みとして、マルチキャスト通信を利用したデータ配送システムがあげられる。
既存のマルチキャストによるデータ配送システムとしては、Reliable Multicast
(信頼性マルチキャスト)があるが、これは規模性、信頼性、効率の点で、データ配送を行う上では十分な性能を発揮しない。
本研究では、昨年度に設計を行った、大規模なデータを多数の利用者に対して配信するデータ配送に特化したマルチキャスト通信の枠組みである Segmented Hierarchical Reliable Multicast(SHRM:セグメント化階層構造信頼性マルチキャストデータ配送システム)の基礎的実装を行い、この実装を元に、機能の向上をはかった。
昨年度設計を行ったSegmented Hierarchical Reliable Multicast(SHRM:セグメント化階層構造信頼性マルチキャストデータ配送システム)は、広域ネットワークをMLS単位に分割し、これらMLS内部で独立したデータ配送を形成することにより、信頼保証の範囲を限定し効率を維持しつつ規模性を向上させることを企図したものである。
このシステムの概要を、図1に示す。
本年度は、この設計をベースとして、SHRM の実装の機能向上を行った。
行った点は、以下に挙げる通りである。
多段通信路ネットワークにおける信頼保証型マルチキャストデータ配送システムの設計と実装
[1] http://www.sfc.wide.ad.jp/~west/papers/masterThesis/master_thesis.html