研究の主題

セグメント化階層構造ネットワークにおける信頼性マルチキャストデータ配送システムの設計と実装

　インターネット上で広範囲に使用可能な、効率のよいデータ配送を実現する、マルチキャスト通信の枠組みを設計、実装する。

　近年、インターネットの利用者の増加や、マルチメディア技術の発達によって、大量のデータを広域に、同期的に取り扱う必要性が生まれてきている。この要求を満たす枠組みとして、マルチキャスト通信を利用したデータ配送システムがあげられる。
　既存のマルチキャストによるデータ配送システムとしては、Reliable Multicast (信頼性マルチキャスト)があるが、これは規模性、信頼性、効率の点で、データ配送を行う上では十分な性能を発揮しない。
　本研究では、大規模なデータを多数の利用者に対して配信するデータ配送に特化した、マルチキャスト通信を利用したデータ配送システムを提案した。
 

• 多段通信路ネットワークにおける信頼保証型マルチキャストデータ配送システムの設計と実装

 

 

 インターネット上で用いる、新しい提案に基づく信頼性マルチキャストデータ配送システムとして、SHRM: A Segmented Hierarchical Reliable Multicast を設計し、実装した。
　SHRMでは、新しい手法として、マルチキャスト可能なローカルセグメント(MLS: Multicastable Local Segment)という考え方を導入した。本システムの骨子は、広域ネットワークをMLS単位に分割し、これらMLS内部で独立したデータ配送を形成することにより、信頼保証の範囲を限定し効率を維持しつつ規模性を向上させるものである。
　本システムの概要を、図１に示す。



 詳細は、以下の論文として執筆した。

    多段通信路ネットワークにおける信頼保証型マルチキャストデータ配送システムの設計と実装
 

 慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程　１９９９年度修士論文
 西田視磨

    本論文のアブストラクト、および本文は、別途掲載してある。[1]

[1]  http://www.sfc.wide.ad.jp/~west/papers/masterThesis/master_thesis.html