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コマンドライン引数でWgetのデフォルト設定を変更する方法を知ると,これら の設定を永久的に行いたいと思うかもしれません.Wgetスタートアップファイ ル--`.wgetrc'--を作成するという便利な方法でそうすることが可能で す.
さらに,`.wgetrc'は"主な"初期化ファイルとなっていて,強固なパス ワードに対する特別な能力があるので便利です.このためWgetは, `$HOME/.netrc'がある場合は,その内容を読み込み解釈します. `.netrc'書式はシステムのマニュアルで見つかります.
Wgetは,限定されたコマンド群を認識し,スタートアップ時に`.wgetrc' を読みます.
6.1 Wgetrcの場所 | Location of various wgetrc files. | |
6.2 Wgetrcの構文 | Syntax of wgetrc. | |
6.3 Wgetrcコマンド | List of available commands. | |
6.4 Wgetrcの見本 | A wgetrc example. |
初期化時,Wgetはデフォルトで`/usr/local/etc/wgetrc'(または,Wget がそこにインストールされていない場合,`/usr/local'ではない接頭辞) にあるglobalなスタートアップファイルを探し,存在する場合はそれか らコマンドを読み込みます.
それから,ユーザファイルを探します.環境変数WGETRC
が設定されてい
る場合,そのファイルをロードしようとします.失敗した場合,それ以上何も
しません.
WGETRC
が設定されていない場合,Wgetは`$HOME/.wgetrc'をロード
しようとします.
ユーザ設定がシステム全体のものの後にロードされるということは,ユーザの wgetrcと衝突した場合,システム全体のwgetrc(デフォルトで `/usr/local/etc/wgetrc')に優先するということを意味します. 全体主義の管理者は不在です!
wgetrcコマンドの構文は単純です.
variable = value |
変数(variable)はコマンド(command)とも呼ばれます.有効な 値(value)はコマンドによって異なります.
コマンドは大文字小文字とアンダースコアを識別しません.このため, `DIr__PrefiX'は`dirprefix'と同じです.`#'で始まる行と空 白のみ含む行は,空行として捨てられます.
カンマで分けられたリストを期待するコマンドは,空のコマンドでリストをク リアします.そのため,全体的な`wgetrc'で指定された拒絶するリストを リセットしたい場合,以下のようにして行うことができます.
reject = |
コマンドの完全な組合わせは,以下にリストアップされています.正当な値は, `='以下にリストアップされています.単純な真偽値は,`on'と `off',または`1'と`0'で,設定または解除ができます.場合 によっては利用可能な,変った種類の真偽値はlockable Booleanで,そ れは,`on',`off',`always',または`never'に設定可 能です.オプションが`always'や`never'に設定されている場合, Wgetの呼び出しの間中,値は固定されます--コマンドラインオプションは優先 されません.
コマンドには,擬似的に任意の値をとるものもあります.address値はホ スト名やドットで分けられたIPアドレスが可能です.nはあらゆる正の整 数や,該当する場合は無限に対する`inf'が利用可能です.string 値は,空ではないあらゆる文字列が可能です.
これらのほとんどのコマンドは,コマンドラインと同じです.また,任意の wgetrcコマンドが,`--execute'スイッチをコマンドラインで使用するこ とで指定することが可能です(see section 基本的なスタートアップオプション).
`-A'/`-R' (see section ファイルの形式)と同じです.
ホストが前置されたファイル名を利用可/不可にします.`-nH'はそれを不 可にします.
オンに設定した場合,前から存在している部分的に回収されたファイルに強制 的につなげます.それを設定する前に`-c'を参照して下さい.
バックグランドへの移行を可/不可にします--`-b'(利用可にする)と同じ です.
前もって接尾子`.orig'に変換されているファイルの保存を利用可能/不可 能にします--(可能にする)`-K'と同じです.
URL入力ファイル内の相対的なURLが,stringに相対的な HTMLとして解釈させることを強制されていると考えま す--`--base=string'と同じです.
addressをbindし,それは`--bind-address=address'オプショ ンに似ています.
認証局バンドルファイルをfileに設定します. `--ca-certificate=file'と同じです.
認証局が使用するディレクトリを設定します. `--ca-directory=directory'と同じです.
オフに設定するとき,サーバキャッシュを不可にします.`--no-cache'オ プションを参照してください.
クライアントの証明書ファイル名をfileに設定します. `--certificate=file'と同じです.
クライアントの証明書の形式を指定します.正当な値は`PEM' (デフォル ト)と`DER' (別名 ASN1)です. `--certificate-type=string'と同じです.
この設定をオフにした場合,サーバの証明書は指定されたクライアントの認証 を調査しません.デフォルトは"オン"です.`--check-certificate'と 同じです.
相対的でないリンクをローカルに変換します.それは`-k'と同じです.
オフに設定するときクッキーは利用できません.`--cookies'オプション を参照してください.
接続のタイムアウトを設定します--`--connect-timeout'と同じです.
n個のリモートディレクトリコンポーネントを無視します. `--cut-dirs=n'と同じです.
デバッグモードで,それは`-d'と同じです.
ダウンロード後削除します--`--delete-after'と同じです.
ディレクトリツリーのトップです--`-P string'と同じです.
ディレクトリ構造のオン/オフを切替えます--それぞれ`-x'や `-nd'と同じです.
DNSのキャッシュのオン/オフを切替えます.DNSのキャッシュはデフォルトでオ ンなので,このオプションは通常オフにするために使用し,それは `--no-dns-cache'と同じです.
DNSのタイムアウトを設定します.`--dns-timeout'と同じです.
`-D' (see section ホストをまたぐ)と同じです.
回収中に見ている1ドットが"含む"バイト数(デフォルトで1024)を指定します. 値に`k'や`m'を後置することが可能で,それぞれキロバイトとメガ バイトの代替となります.ドットの設定では,必要に応じてドットの回収を適 応させたり,前もって定義されたstylesを使用することも可能です (see section ダウンロード・オプション).
回収中にそれぞれの行に出力するドットの数(デフォルトで50)を指定します.
1クラスタのドットの数(デフォルトで10)を指定します.
stringをEGDソケットファイル名として使用します. `--egd-file=file'と同じです.
ダウンロードから除外したいディレクトリのカンマで分けられたリストを指定 します--`-X string' (see section ディレクトリベースの制限)と同じ です.
`--exclude-domains=string' (see section ホストをまたぐ)と同じで す.
HTMLドキュメントからFTPリンクをたどります-- `--follow-ftp'と同じです.
再帰的な回収時に特定のHTMLタグのみたどり,それは `--follow-tags=string'に似ています.
オンに設定された場合,入力ファイル名がHTMLドキュメントと同じと見な すことを強制します--`-F'と同じです.
FTPパスワードをstringに設定します.これを設定していないと, パスワードのデフォルトは`-wget@'になり,匿名FTPへのアクセス でのデフォルトとして便利です.
このコマンドは,Wget 1.10以前はpasswd
という名前でした.
環境変数で指定されたものの代わりに,stringをFTPプロキシとし て使用します.
FTPのユーザ名をstringに設定します.
このコマンドは,Wget 1.10以前はlogin
という名前でした.
globをオン/オフします--`--glob'と`--no-glob'と同じです.
`--header=string'のように,HTTPダウンロードのヘッダを定義し ます.
`.html'拡張子を,それが無い`text/html'ファイルや `application/xhtml+xml'ファイルに追加し,それは`-E'に似ていま す.
keep-aliveの機能をオンまたはオフに切り換えます(デフォルトはオンです). オフにするのは`--no-http-keep-alive'と同じです.
HTTPパスワードを設定します.`--http-password=string'と 同じです.
環境変数で指定されたものの代わりに,stringをHTTPプロキシとし て使用します.
HTTPユーザをstringに設定します. `--http-user=string'と同じです.
オンに設定した場合,Content-Length
ヘッダを無視します.
`--ignore-length'と同じです.
再帰的な回収時に特定のHTMLタグを無視し,それは `--ignore-tags=string'に似ています.
ダウンロード時にだどりたい,カンマで分けられたディレクトリのリストを指 定します--`-I string'と同じです.
接続をIPv4アドレスに強制します.オフがデフォルトです.WgetがIPv6のホス トのアドレス解決や接続を試みないようにするため,大域的な初期化ファイル にこれを書くことが可能です.WgetがIPv6サポートでコンパイルされている場 合だけ利用可能です.`--inet4-only'や`-4'と同じです.
接続をIPv6アドレスに強制します.オフがデフォルトです.WgetがIPv6サポー トでコンパイルされている場合だけ利用可能です.`--inet6-only'や `-6'と同じです.
`-i file'のように,fileからURLを読み込みます.
content-lengthヘッダで指定されているより長いデータを無効だと考えます(そ
して所得を試みます).デフォルトの動作はそこにあるデータと同じだけ保存し,
つまりContent-Length
の値より大きいまたは同じであると規定されます.
ダウンロードの速度をrateバイト毎秒以下に設定します. `--limit-rate=rate'と同じです.
fileからクッキーをロードします.`--load-cookies file' オプションを参照してください.
ログファイルをfileに設定します--`-o file'と同じです.
ミラーリングをオン/オフします.`-m'と同じです.
netrcの読み込みをオンまたはオフにします.
`-nc'と同じです.
ディレクトリ階層外部への回収を禁止し,それは`--no-parent' (see section ディレクトリベースの制限)に似ています.
環境変数で指定したものの代わりに,プロキシの負荷を避けるため, stringを,カンマで分けられたドメインのリストとして使用します.
出力ファイル名を設定します--`-O file'と同じです.
単一のHTMLページを正しく表示するのに必要な補助的なドキュメントをす べてダウンロードします--`-p'と同じです.
パッシブFTPに設定します.`--passive-ftp'と同じです.いくつか のスクリプトと`.pm' (Perlモジュール)ファイルは,`wget --passive-ftp'を使用しているファイルをダウンロードします.ファイアウォー ルがこれを許可しない場合,コマンドラインに優先するため `passive_ftp = never'を指定できます.
FTPとHTTPの両方のファイル回収用パスワードstringを指定し ます.このコマンドは,FTPとHTTPのそれぞれに対する `ftp_password'と`http_password'コマンドによって,優先されます.
すべてのHTTPリクエストに対する手法としてPOSTを使用し,リクエストの本体 にstringを送ります.`--post-data=string'と同じです.
すべてのHTTPリクエストに対する手法としてPOSTを使用し,リクエストの本体 にfileの内容を送ります.`--post-file=file'と同じです.
選択可能なアドレスが与えられているとき,指定したアドレスファミリを持つ アドレスに最初に接続します.IPv4アドレスがデフォルトです. `--prefer-family'と同じで,これが役に立つ詳しい理由はそちらを参照 して下さい.
秘密鍵ファイルをfileに設定します. `--private-key=file'と同じです.
秘密鍵の形式を指定します.正当な値は`PEM' (デフォルト)と `DER' (別名 ASN 1)です.`--private-type=string'と同じで す.
進行状況の表示形式を設定します.有効な形式は,`dot'と`bar'で す.`--progress=string'と同じです.
設定されるとき,プロトコル名はローカルファイルが保存されるディレクトリ として使用されます.`--protocol-directories'と同じです.
`--proxy-user=string'のように,プロキシ認証のユーザ名を stringに設定します.
`--proxy-passwd=string'のように,プロキシ認証のパスワードを stringに設定します.
静かなモードです--`-q'と同じです.
ダウンロードのクォータを指定し,それは全体的な`wgetrc'に置くと便利 です.ダウンロードクォータが指定された場合,Wgetは,ダウンロードの合計 がクォータより大きくなった後で回収を停止します.クォータはバイト(デフォ ルト),キロバイト(`k'の追加),またはメガバイト(`m'の追加) で 指定できます.このため,`quota = 5m'はクォータを5メガバイトに設定 します.ユーザのスタートアップファイルがシステム設定に優先することに注 意してください.
`/dev/random'が無いシステムでの乱数のソースとしてfileを使用 します.
読み込み(と書き込み)のライムアウトを設定しま す--`--read-timeout=n'と同じです.
再帰の階層です--`-l n'と同じです.
再帰をオン/オフします--`-r'と同じです.
HTTP `Referer:'ヘッダを`--referer=string'のように設定し ます.(それは,"referrer"の綴り間違えたいた人が,HTTPスペックを 書いた人々だということに注意してください.)
相対リンクのみをたどります--`-L' (see section 相対的なリンク)と同じで す.
オンに設定したとき,WgetがダウンロードしたFTPのリストを削除します. オフに設定することは,`--no-remove-listing'と同じです.
URLからWgetが生成するファイル名を制限します.詳細な記述は `--restrict-file-names'を参照してください.
オンに設定したとき,シンボリックリンクをプレーンファイルであるかのよう に回収します.`--retr-symlinks'と同じです.
オンに設定されているとき,"connection refused"が一時的なエラーだと想 定します--`--retry-connrefused'と同じです.
Wgetが遵守するロボット拒否の慣習を指定し,"on(オン)"がデフォルトです. この切替えは,`/robots.txt'と`nofollow'で指定されたものを制御 します.これに関する詳細はSee section ロボットの排除. これを停止する前に, 自分が行っていることが分かっているか確かめてください.
fileにクッキーを保存します.`--save-cookies=file'と同 じです.
セキュアー・プロトコルの使用を選択します.正当な値は`auto' (デフォ ルト),`SSLv2',`SSLv3',そして`TLSv1'です. `--secure-protocol=string'と同じです.
HTTPとFTPサーバのレスポンスの出力を行うかどうか選択します-- `-S'と同じです.
`-H'と同じです.
`--strict-comments'と同じです.
適用可能な全てのタイムアウトの値をnに設定します--`-T n'と同じです.
タイムスタンプのオン/オフを切替えます.`-N' (see section タイムスタンプ)と同じです.
URLごとの再挑戦回数を設定します--`-t n'と同じです.
オフに設定すると,プロキシに関連する環境変数が設定されている場合でもプ ロキシを使用しません.これは`--no-proxy'を使用するのと同じです.
FTPとHTTPのファイル取得でのユーザ名をstringに指定します. このコマンドは,FTPとHTTPについて,それぞれ`ftp_user'と `http_user'コマンドを使用することで優先されてしまいます.
冗長出力のオン/オフを切替えます--`-v'/`-nv'と同じです.
回収の間でn秒待ちます--`-w n'と同じです.
回収の失敗での再試行のみで,n秒まで待ちま す--`--waitretry=n'と同じです.これはデフォルトで,大域的な `wgetrc'でオンなることに注意してください.
要求間のランダムな待ち時間をオンまたはオフにします. `--random-wait' と同じです.
以下は,配布物で与えられる初期化ファイルの例です.それは二つの部分に分 けられます--一つは全体的な使用で(全体的なスタートアップファイルに適し ています),もう一つはローカルで使用するもの(`$HOME/.wgetrc'に適し ています)です.変更には注意してください.
ほとんど全ての行がコメントアウトされていることに注意してください.効果 を得たいあらゆる行に対し,行の前に前置された`#'を削除する必要があ ります.
### ### Sample Wget initialization file .wgetrc ### ## You can use this file to change the default behaviour of wget or to ## avoid having to type many many command-line options. This file does ## not contain a comprehensive list of commands -- look at the manual ## to find out what you can put into this file. ## ## Wget initialization file can reside in /usr/local/etc/wgetrc ## (global, for all users) or $HOME/.wgetrc (for a single user). ## ## To use the settings in this file, you will have to uncomment them, ## as well as change them, in most cases, as the values on the ## commented-out lines are the default values (e.g. "off"). ## ## Global settings (useful for setting up in /usr/local/etc/wgetrc). ## Think well before you change them, since they may reduce wget's ## functionality, and make it behave contrary to the documentation: ## # You can set retrieve quota for beginners by specifying a value # optionally followed by 'K' (kilobytes) or 'M' (megabytes). The # default quota is unlimited. #quota = inf # You can lower (or raise) the default number of retries when # downloading a file (default is 20). #tries = 20 # Lowering the maximum depth of the recursive retrieval is handy to # prevent newbies from going too "deep" when they unwittingly start # the recursive retrieval. The default is 5. #reclevel = 5 # Many sites are behind firewalls that do not allow initiation of # connections from the outside. On these sites you have to use the # `passive' feature of FTP. If you are behind such a firewall, you # can turn this on to make Wget use passive FTP by default. #passive_ftp = off # The "wait" command below makes Wget wait between every connection. # If, instead, you want Wget to wait only between retries of failed # downloads, set waitretry to maximum number of seconds to wait (Wget # will use "linear backoff", waiting 1 second after the first failure # on a file, 2 seconds after the second failure, etc. up to this max). waitretry = 10 ## ## Local settings (for a user to set in his $HOME/.wgetrc). It is ## *highly* undesirable to put these settings in the global file, since ## they are potentially dangerous to "normal" users. ## ## Even when setting up your own ~/.wgetrc, you should know what you ## are doing before doing so. ## # Set this to on to use timestamping by default: #timestamping = off # It is a good idea to make Wget send your email address in a `From:' # header with your request (so that server administrators can contact # you in case of errors). Wget does *not* send `From:' by default. #header = From: Your Name <username@site.domain> # You can set up other headers, like Accept-Language. Accept-Language # is *not* sent by default. #header = Accept-Language: en # You can set the default proxies for Wget to use for http and ftp. # They will override the value in the environment. #http_proxy = http://proxy.yoyodyne.com:18023/ #ftp_proxy = http://proxy.yoyodyne.com:18023/ # If you do not want to use proxy at all, set this to off. #use_proxy = on # You can customize the retrieval outlook. Valid options are default, # binary, mega and micro. #dot_style = default # Setting this to off makes Wget not download /robots.txt. Be sure to # know *exactly* what /robots.txt is and how it is used before changing # the default! #robots = on # It can be useful to make Wget wait between connections. Set this to # the number of seconds you want Wget to wait. #wait = 0 # You can force creating directory structure, even if a single is being # retrieved, by setting this to on. #dirstruct = off # You can turn on recursive retrieving by default (don't do this if # you are not sure you know what it means) by setting this to on. #recursive = off # To always back up file X as X.orig before converting its links (due # to -k / --convert-links / convert_links = on having been specified), # set this variable to on: #backup_converted = off # To have Wget follow FTP links from HTML files by default, set this # to on: #follow_ftp = off |
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