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GNU Wgetは,Webから対話的ではないファイルのダウンロードを行なうためのフ リーのユーティリティです.HTTP,HTTPS,そしてFTPをサポー トしていて,HTTPプロキシからの回収も同様にサポートしています.
この章は,Wgetの機能の部分的な概要となっています.
Wgetは対話的ではなく,つまりそれはユーザがログオンしていない間にバック グラウンドで動作可能なことを意味しています.このため,Wgetに仕事を完了 させるため,回収を開始し,システムとの接続を終了する(システムと離れてい る)ことが可能になっています.それと比較して,ほとんどのウェブブラウザは 常にユーザの存在を要求し,それは大量のデータを転送しているときは,大き な障害となります.
Wgetは,HTMLページとXHTMLページのリンクをたどり,遠隔地のウェ ブサイトのローカルバージョンを作成し,それはオリジナルサイトのディレク トリ構造を完全に再生成します.これは"再帰的なダウンロード"と言われる こともあります.こうしている間,WgetはRobot Exclusion Standard (`/robots.txt')を考慮します.オフラインで閲覧するために,ダウンロー ドされたHTMLファイルのリンクをローカルのファイルに変換するよう, Wgetに指示することが可能です.
ファイル名のワイルドカードへの一致と,ディレクトリの再帰的なミラーは, FTPで回収するときに利用可能です.Wgetは,HTTPサーバと FTPサーバの両方でタイムスタンプ情報を読み込み,それをローカルに保 存することが可能です.それにより,Wgetはリモートファイルが前回の回収か ら変化しているかどうかを理解し,変化がある場合は新しいバージョンを自動 的に回収することが可能になっています.これで,Wgetがホームページと同様 にFTPサイトのミラーに適するようになっています.
Wgetは,遅く不安定なネットワークの接続越しでも耐性があるように設計され てきました.ネットワークの問題でダウンロードに失敗した場合,ファイル全 体が回収されるまで再試行を続けます.サーバが再収集をサポートしている場 合,残っている場所からダウンロードを続けるようサーバに伝えます.
Wgetはプロキシサーバをサポートし,それはネットワークの負荷を軽くし,回 収の速度を上げ,そしてファイアーウォール経由でのアクセスを提供すること を可能にします.しかし,socks形式のゲートウェイの使用が必要なファイアー ウォール経由の場合,socksライブラリを入手しsocksサポートを用いてWgetを ビルドすることで可能となります.Wgetは,受動的なFTPダウンロードも デフォルトでサポートしていて,アクティブFTPはオプションとなってい ます.
Wgetは次世代のIPであるIPバージョン6をサポートしています.IPv6はコンパイ ル時に自動的に検出され,ビルド時または実行時に利用不可にすることが可能 です.IPv6サポートでビルドされたバイナリは,IPv4のみでも両方使える環境 でも,正しく動作します.
組込みの機能は,希望するリンクをたどることを調整するメカニズムを提供し ます(see section リンクの追跡).
個別のダウンロードの進捗は,進捗表示機(progress gauge)を使用して表示さ れます.対話的なダウンロードでは,"温度計"形式で表示されますが,対話 的ではないときはドットで表示され,それぞれのドットは受信したデータの固 定量(デフォルトで1KB)を表現しています.これらの表示は好みによりカスタマ イズ可能です.
ほとんどの機能は完全に構成を変更することができ,それらは,コマンドライ ンオプションや初期化ファイル`.wgetrc'(see section スタートアップファイル)を通じ て行います.Wgetでは,サイト設定に対してグローバル(global)なスター トアップファイル(デフォルトで`/usr/local/etc/wgetrc')で定義可能に なっています.
最後になりますが,GNU Wgetはフリーソフトウェアです.このことは,Free Software Foundationが出版しているGNU一般公有使用許諾書 (see section コピーについて)の用語の下で,誰もが,使用し,再配布し,そして/または 修正が可能だということを意味します.
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This document was generated by Akihiro Sagawa on August, 17 2005 using texi2html 1.70.