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5. 章の構造

章の構造化(chapter structuring)コマンドは,ドキュメントを,章,セ クション,サブセクション,そしてサブサブセクションの階層構造に分けます. これらのコマンドは,大きな見出しを生成します.それらは,印刷されたマニュ アルの目次の情報も提供します(see section Generating a Table of Contents).

章の構造化コマンドはInfoノード構造を作成しないので,通常は@node コマンドをそれぞれの章の構造化コマンドの直前に書くべきです (see section 6. ノード).ノードの構造化コマンドを使用せず章の構造化コマンドを使 用するのは,おそらく,相互参照を含まないドキュメントやInfo形式に変換しな いドキュメントを書く場合だけでしょう.

印刷可能なドキュメントではなく,InfoファイルのためだけにTexinfoファイル を書くことはおそらくないでしょう.そうする場合でも,章の構造化コマンドを それぞれのノードの見出しを作成するために -- 不要ですが -- 書いてもかま いません.

5.1 セクションのツリー構造  A manual is like an upside down tree ...
5.2 構造化コマンドの形式  How to divide a manual into parts.
5.3 @top  The @top command, part of the `Top' node.
5.4 @chapter  
5.5 @unnumbered@appendix  
5.6 @majorheading@chapheading  
5.7 @section  
5.8 @unnumberedsec@appendixsec@heading  
5.9 @subsectionコマンド  
5.10 @subsectionのようなコマンド  
5.11 `subsub'コマンド  Commands for the lowest level sections.
5.12 @raisesections@lowersections  How to change commands' hierarchical level.


5.1 セクションのツリー構造

Texinfoファイルは通常,章,セクション,サブセクション,そしてそのような ものからなる,本のような構造をしています.この構造は,上に根があり,レベ ルに対応した,章,セクション,サブセクション,そしてサブサブセクションを 持つ木(または,さかさまの木)のように見えます.

それぞれ二つのセクションを持つ章が三つあるTexinfoファイルの図は以下のよう になります.

 
                                  Top
                                   |
             ---------------------------------------------
            |                      |                      |
           1 章                   2 章                   3 章
            |                      |                      |
       -----------            -----------            -----------
      |           |          |           |          |           |
 セクション  セクション セクション  セクション セクション  セクション
     1.1         1.2        2.1         2.2        3.1         3.2

この構造を持つTexinfoファイルで,2章は以下のように開始します.

 
@node    Chapter 2,  Chapter 3, Chapter 1, top
@chapter Chapter 2

章の構造化コマンドは以下のセクションで述べています.@node@menuコマンドは以下の章で述べています.(See section 6. ノード. そして, 7. メニューを参照してください.)


5.2 構造化コマンドの形式

章を構造化するコマンドは,四つのグループ,またはシリーズに分類され,それ ぞれは,章,セクション,サブセクション,そしてサブサブセクションの階層レ ベルに対応する構造化コマンドを含んでいます.

四つのグループは,@chapterシリーズ,@unnumberedシリーズ, @appendixシリーズ,そして@headingシリーズです.

それぞれのコマンドは,印刷されたページやInfoファイルで異なるタイトルを生 成します.いくつかのコマンドのみ,印刷された本やマニュアルの目次でリスト アップされるタイトルを持ちます.

四つの章の構造化コマンドのグループは以下のようになります.

番号付き 番号無し 文字と番号 番号無し
目次にある 目次にある 目次にある 目次から削除
@top @majorheading
@chapter @unnumbered @appendix @chapheading
@section @unnumberedsec @appendixsec @heading
@subsection @unnumberedsubsec @appendixsubsec @subheading
@subsubsection @unnumberedsubsubsec @appendixsubsubsec @subsubheading


5.3 @top

@topコマンドは,Texinfoファイルの最初の`@node Top'行の後に 使用している特別なセクションコマンドです.@topコマンドは, makeinfoフォーマッタに`Top'ノードを伝え,マニュアルで暗黙のポイン タを使用する場合,それはノードツリーのルートとして使用することが可能です. @unnumbered(see section @unnumbered and @appendix)の植字効果と同じです.詳細は,The @top Commandを参照してください.

@topノードとそのメニュー(がある場合)は,InfoとHTML出力のみに現れ, TeXに現れないようにするため,慣習で,@ifnottex環境になります.


5.4 @chapter

@chapterはドキュメントの章を識別します.行の最初にコマンドを,同 じ行に続けて章のタイトルを書いてください.

例えば,このマニュアルのこの章は,"章の構造(Chapter Structuring)"とい う項目です.@chapter行は以下のようになります.

 
@chapter Chapter Structuring

TeXでは,@chapterコマンドはドキュメントに章を作成し,章のタイ トルを指定します.章は自動的に番号付けされます.

Infoでは,@chapterコマンドはタイトルを単独行に現し,行の下にはア スタリスクの挿入があります.このため,Infoで上の例は以下の出力を生成しま す.

 
Chapter Structuring
*******************

Texinfoはコマンド@centerchapも提供していて,それは @unnumberedに似ていますが,印刷物でその引数を中央揃えします.こ の種の形式上の選択は,通常Texinfoでは提案されません.


5.5 @unnumbered@appendix

@unnumberedコマンドを,印刷されたマニュアルであらゆる種類の数字 が付かない章を作成するために使用してください.@appendixコマンド を,印刷されたマニュアルで数字の代わりに文字でラベルが付く付録を作成する ために使用してください.

Infoファイル出力に対し,@unnumbered@appendixコマンドは, @chapterと同じです.タイトルは単独行で印刷され,下にアスタリスク の行が付きます.(See section @chapter.)

付録や番号を付けない章を作成するため,章の作成のように@appendix@unnumberedコマンドを行の最初から書き,同じ行にタイトルを続け てください.


5.6 @majorheading@chapheading

@majorheading@chapheadingコマンドで,ドキュメントの本 体に章のような見出しを書き出します.

しかし,いずれのコマンドもTeXに番号付の見出しや目次項目を生成させませ ん.また,どちらのコマンドも,TeXに印刷されたマニュアルで新しいページ を開始させません.

TeXでは,@majorheadingコマンドは,@chapheadingコマン ドが生成するより大きな縦方向の空白を生成します.

Infoでは,@majorheading@chapheadingコマンドは @chapterと同じで,下にアスタリスクの行が付いた単独行にタイトルを 出力します.(See section @chapter.)


5.7 @section

印刷されたマニュアルでは,@sectionコマンドは章の中の番号付きのセ クションとなります.セクションのタイトルは目次に現われます.Infoでは, @sectionコマンドは`='で下線を引かれたテキストをタイトルとし て提供します.

このセクションは,@sectionコマンドが前置されていて,Texinfoファ イルでは以下のように見えます.

 
@section @code{@@section}

セクションを作成するため,@sectionコマンドを行の最初に書き,同じ 行にセクションのタイトルを続けてください.

このため,以下のようにします.

 
@section This is a section

以下を生成します.

 
This is a section
=================

Infoでは,上記のようになります.


5.8 @unnumberedsec@appendixsec@heading

@unnumberedsec@appendixsec,そして@headingコマ ンドはそれぞれ,@sectionコマンドの,番号無し,付録のようなもの, そして見出しのようなものと同じです.(See section @section.)

@unnumberedsec
@unnumberedsecコマンドは,番号無しの章の中や,通常の章や付録の中 で,番号無しのセクションを提供するために使用できます.

@appendixsec
@appendixsection
@appendixsectionは,@appendixsecコマンドの長い綴です.二 つは同じです.

慣習的に,@appendixsec@appendixsectionコマンドは,付録 でのみ使用します.

@heading
@headingコマンドは,章の形式の見出しで目次に現われないものに対し て,希望の場所でどこで使用してもかまいません.


5.9 @subsectionコマンド

サブセクションとセクションの関係は,セクションと章の関係のようなものです. (See section @section.)Infoで,サブセクションのタイトルは, `-'で下線が引かれます.例えば,以下のようになります.

 
@subsection This is a subsection

以下を生成します.

 
This is a subsection
--------------------

印刷されたマニュアルでは,サブセクションは目次にリストアップされ,3レベ ルの深さで番号が付きます.


5.10 @subsectionのようなコマンド

@unnumberedsubsec@appendixsubsec,そして @subheadingコマンドは,それぞれ,@subsectionコマンドの, 番号無し,付録のようなもの,そして見出しのようなものと同じです. (See section @subsection.)

Infoでは,@subsectionのようなコマンドはハイフンで下線が引かれた タイトルを生成します.印刷されたマニュアルでは,@subheadingコマ ンドは,番号無しのものと目次に現われないもの以外サブセクションのような見 出しを生成します.同様に,@unnumberedsubsecコマンドは,サブセク ションに似た番号がない見出しを生成し,@appendixsubsecコマンドは, 文字と数字でラベルが付いたサブセクションのような見出しを生成します.これ らのコマンドは両方とも目次に現われる見出しを生成します.


5.11 `subsub'コマンド

Texinfoでの四番目以下のレベルのセクションコマンドは,`subsub'コマンドで す.以下のものがあります.

@subsubsection
サブサブセクションとサブセクションの関係は,サブセクションとセクションの 関係のようなものです.(See section @subsection.)印刷さ れたマニュアルで,サブサブセクションのタイトルは目次に現われ,四番目の深 さのレベルで番号を付けられます.

@unnumberedsubsubsec
番号付けされていないサブサブセクションのタイトルは,印刷されたマニュアル の目次に現われますが,番号はありません.それ以外で,番号付けされていない サブサブセクションはサブサブセクションと同じです.実際にInfoでは,番号付 けされていないサブサブセクションは,普通のサブサブセクションのように見え ます.

@appendixsubsubsec
慣習的に,付録コマンドは付録のためのみに使用され,印刷されたマニュアルで は文字と番号が適切に付けられます.それらは目次にも現われます.実際にInfo では,付録のサブサブセクションは普通のサブサブセクションのように見えます.

@subsubheading
@subsubheadingコマンドは,目次に現われない小さい見出しが必要なあ らゆる場所で使用できます.実際にInfoでは,サブサブ見出しは普通のサブサブ セクションの見出しのように見えます.

Infoでは,`subsub'タイトルはピリオドで下線が引かれます.例えば以下のよう にします.

 
@subsubsection This is a subsubsection

以下を生成します.

 
This is a subsubsection
.......................


5.12 @raisesections@lowersections

@raisesections@lowersectionsコマンドは,章,セクション, サブセクションのようなものの,階層的レベルをあげたり下げたりします. @raisesectionsコマンドは,セクションを章,サブセクションをセクショ ンなどのように変更します.@lowersectionsコマンドは,章をセクショ ン,セクションをサブセクションなどのように変更します.

他のTexinfoファイルの内部ファイルやインクルードファイルとなる,外部や単 独のTexinfoファイルとして書かれているテキストを含める場合, @lowersectionsコマンドは役に立ちます.ファイルの最初にコマンドを 書くことで,すべての@chapterコマンドは@sectionコマンドで あるかのように書式化され,すべての@sectionコマンドは @subsectionコマンドであるかのように書式化される等のようになりま す.

@raisesectionsは,章の構造階層でコマンドを一階層あげます.

 
  変更前           変更後
@subsection     @section,
@section        @chapter,
@heading        @chapheading,
         等々

@lowersectionsは,章の構造階層でコマンドを一階層下げます.

 
  変更前           変更後
@chapter        @section,
@subsection     @subsubsection,
@heading        @subheading,
         等々

@raisesections@lowersectionsコマンドは,Texinfoファイ ルのそれ以降の章の構造化コマンドのみを変更します.@raisesections@lowersectionsコマンドは単独行に書いてください.

@lowersectionsコマンドは,@raisesectionsコマンドでキャン セルされ,逆も同様になります.一般的に,コマンドは以下のように使用します.

 
@lowersections
@include somefile.texi
@raisesections

@raisesectionsコマンドが無い場合,ドキュメントのそれ以降全てのセ クションはレベルが下がります.

コマンドの繰り返しの使用で,階層レベルは一度に一段階づつ,上がったり下がっ たりし続けます.

`章'を上に上げようとすると,章コマンドを再生成します.`サブサブセクショ ン'を下に下げようとすると,サブサブセクションコマンドを再生成します.


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This document was generated by Akihiro Sagawa on January, 21 2003 using texi2html