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10. システムコンテクスト

このセクションは,システム全体の情報を出力または変更するコマンドを記述し ます.


10.1 date: システムの日付と時間を出力または設定

引数を伴わないdateは,(以下で記述する)`%c'指示語の書式で,現 在の時間と日付を出力します.構文は以下のとおりです.

 
date [option]… [+format]
date [-u|--utc|--universal] [ MMDDhhmm[[CC]YY][.ss] ]

`+'で始まる引数が与えられた場合,dateは現在の時間と日付(また は,以下で参照できる,--dateオプションで指定された日付と時間)を, 引数で定義された書式で出力し,それは,strftime関数と同じです. `%'で始まる指示語以外の,書式文字列内の文字は,変更されずに出力され ます.指示語は以下で記述します.


10.1.1 時間指示語

時間に関連するdateの指示語です.

` %H'

時間(00…23)

` %I'

時間(01…12)

` %k'

時間( 0…23)

` %l'

時間( 1…12)

` %M'

分(00…59)

` %p'

ロケールの午前または午後

` %r'

時間で,12時間基準(hh:mm:ss [AP]M)

` %s'

エポック,すなわち1970年1月1日00:00:00 UTCからの秒(GNU拡張)です.この値 は,エポックとlocaltimeシステムコールで定義される現在の日付の間の時間だ ということに注意してください.それは,`--date'オプションで変更され ません.

` %S'

秒(00…61)

` %T'

時間で,24時間基準(hh:mm:ss)

` %X'

ロケールの時間表現(%H:%M:%S)

` %z'

RFC-822スタイルの数値的なタイムゾーン(例えば,-0600や+0100),または,タ イムゾーンが決定できない場合は何もしません.この値は現在のタイム ゾーンを反映します.それは,`--date'オプションで変更されません.

` %Z'

タイムゾーン(例えば,EDT),または,タイムゾーンが決定できない場合は何も しません.この値は現在のタイムゾーンを反映することに注意してくだ さい.それは,`--date'オプションで変更されません.


10.1.2 日付指示語

日付に関連するdate指示語です.

` %a'

ロケール略記される曜日の名前(Sun…Sat)

` %A'

ロケールの完全な週の曜日の名前で,可変長(Sunday…Saturday)

` %b'

ロケールの略記される月の名前(Jan…Dec)

` %B'

ロケールの完全な月の名前で,可変長(January…December)

` %c'

ロケールの日付と時間(Sat Nov 04 12:02:33 EST 1989)

` %d'

月の何日目(01…31)

` %D'

日付(mm/dd/yy)

` %h'

%bと同じ

` %j'

年の何日目(001…366)

` %m'

月(01…12)

` %U'

日曜日を週の最初の日として用いた,年の何週目(00…53)です.新年の最 初の日曜日の前の日付は,0週目になります.

` %V'

月曜日を週の最初の日として用いた,年の何週目の10進(00…53)です.新 年の1月1日が含まれる週が,4日以上の日を含む場合,それは第1週と考えられま す.それ以外の場合は,前年の53週目となり,翌週が第1週となります.(ISO 8601: 1988標準を参照してください.)

` %w'

週の何日目(0…6)で,0は日曜日に対応します.

` %W'

月曜日を週の最初の日として用いた,年の何週目(00…53)です.新年の最 初の月曜日の前の日付は,0週目になります.

` %x'

ロケールの日付表現(mm/dd/yy)

` %y'

最後の2桁を用いた年(00…99)

` %Y'

年(1970….)


10.1.3 リテラル指示語

リテラル文字列を生成するdateの指示語です.

` %%'

リテラルの%

` %n'

改行

` %t'

水平タブ


10.1.4 パディング

デフォルトで,dateは数値フィールドをゼロでパディングし,例えば, 数字の月は,常に2桁で出力されます.GNU dateは,以下の`%'と指 示語の間の数値修飾子を認識します.

` -'

(ハイフン) フィールドをパディングしません.出力を人間が利用する目的の場 合役に立ちます.

` _'

(アンダースコア)フィールドをスペースでパディングします.出力に固定数の文 字が必要で,ゼロでは混乱する場合,役に立ちます.

これらはGNU拡張です.

ここに違いを表現する例があります.

 
date +%d/%m -d "Feb 1"
⇒ 01/02
date +%-d/%-m -d "Feb 1"
⇒ 1/2
date +%_d/%_m -d "Feb 1"
⇒  1/ 2

10.1.5 時間の設定

`+'で始まらない引数が与えられた場合,dateは,システム時計を その引数(以下で記述)で指定された時間と日付に設定します.システム時計を設 定するため,適切な特権を持っている必要があります.`--date'と `--set'オプションは,引数として使用できません.`--universal'オ プションは,指定された時間と日付がローカルなタイムゾーンではなく世界標準 時に関連することを示すために,引数として使用できます.

引数は,完全な数字から成り立つ必要があり,それは以下の意味を持ちます.

MM

DD

月の日付

hh

時間

mm

CC

年の最初の2桁(オプション)

YY

年の最後の2桁(オプション)

ss

秒(オプション)

`--set'オプションもシステム時計を設定します.次のオプションを参照し てください.


10.1.6 dateのオプション

プログラムは以下のオプションも受け入れます.共通のオプション,も参照 してください.

` -d datestr'
` --date=datestr'

現在の時間と日付の代わりに,datestrで指定された時間と日付を表示し ます.datestrは,ほとんどあらゆる一般的な書式が可能です.月の名前, タイムゾーン,`am'と`pm',`yesterday',`ago', `next',等を含めることが可能です.See section 日付入力の書式.

` -f datefile'
` --file=datefile'

`-d'と同様に,datefileのそれぞれの行を解析し,結果の時間と日 付を表示します.datefileが`-'の場合,標準入力を使用します. dateの実行を何度も開始するシステムのオーバーへッドは無視できない ので,これは多くの日付を処理するとき役に立ちます.

` -I[timespec]'
` --iso-8601[=timespec]'

ISO 8601書式`%Y-%m-%d'を使用して日付を表示します.

オプション引数のtimespecは,含める時間の追加の単語の数を指定します. 以下の一つになるはずです.

` auto'

デフォルトの動作です.日付のみ出力します.

` hours'

日付に時間を追加します.

` minutes'

時間と分を追加します.

` seconds'

時間,分,そして秒を追加します.

時間の用語を表示する場合,書式`%z'を使用したタイムゾーンを含めます. `--utc'も指定されている場合,`%z'の場所に`%Z'を使用します.

` -R'
` --rfc-822'

RFC-822で指定される書式`%a, %_d %b %Y %H:%M:%S %z'で時間と日付を表 示します.`--utc'も指定されている場合,`%z'の場所に`GMT' を使用します.

` -r file'
` --reference=file'

現在の時間と日付の代わりに,fileが最後に編集された時間を参照して, 時間と日付を表示します.

` -s datestr'
` --set=datestr'

時間と日付をdatestrに設定します.上記の`-d'を参照してください.

` -u'
` --utc'
` --universal'

ローカル(壁時計の)時間の代わりに,世界標準時で時間と日付を表示または設定 を行います.


10.1.7 dateの例

ここにいくつかの例があります.上記セクションの`-d'オプションに対す るドキュメントも参照してください.


10.2 uname: システム情報の出力

unameは,実行しているマシンとオペレーティングシステムの情報を出力 します.オプションが与えられない場合,uname-sオプション が与えられたかのように動作します.構文は以下のとおりです.

 
uname [option]…

複数のオプションや-aが与えられた場合,選択された情報は,この順番 で出力されます.

 
sysname nodename release osversion machine

少なくとも,osversionは複数の単語となります.例えば,以下のように なります.

 
uname -a
⇒ Linux hayley 1.0.4 #3 Thu May 12 18:06:34 1994 i486

プログラムは,以下のオプションも受け入れます.共通のオプション,も参 照してください.

` -a'
` --all'

以下の情報すべてを出力します.

` -m'
` --machine'

マシン(ハードウェア)タイプを出力します.

` -n'
` --nodename'

マシンのネットワークノードのホスト名を出力します.

` -p'
` --processor'

マシンのプロセッサタイプを出力します.

` -r'
` --release'

オペレーティングシステムのリリースを出力します.

` -s'
` --sysname'

オペレーティングシステムの名前を出力します.

` -v'

オペレーティングシステムのバージョンを出力します.


10.3 hostname: システム名の出力や設定

引数がない場合,hostnameは現在のホストシステムの名前を出力します. 1つの引数を用いた場合,それは現在のホスト名を指定された文字列に設定しま す.ホスト名の設定には適切な特権が必要です.構文は以下のとおりです.

 
hostname [name]

オプションは,`--help'と`--version'だけです.See section 共通のオプション.


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This document was generated by Akihiro Sagawa on June, 15 2005 using texi2html 1.70.