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7. リファレンス

以下は,このマニュアルで示してきたプログラムに対する,コマンドラインの 構文の概要です.


7.1 findの呼び出し

 
find [-H] [-L] [-P] [file…] [expression]

findは,それぞれのファイル名fileをルートとするディレクトリ ツリーを,そのツリーで見つかったそれぞれのファイル上でexpression を評価しながら検索します.

オプションの`-H',`-L',または`-P'は,コマンドラインの最 初に指定してもかまいません(これらが指定されていない場合,`-P'が仮 定されます).これらの後の引数は,検索するファイルやディレクトリのリスト です.

検索するファイルのリストには,検索したいファイルの記述式のリストが続き ます.式の最初の部分は,`-',`(', `)',`,',または `!'で始まるという事で認識されます.それ以降のあらゆる引数は式の残 りとみなします.パスが与えられていない場合,現在のディレクトリが使用さ れます.式が与えられていない場合,式`-print'が使用されます.

findは,すべてのファイルが正しく処理された場合は0のステータスで, エラーが発生した場合は0より大きなステータスで終了します.

パス名に三つのオプションを前置することが可能です.それらはシンボリック リンクの扱い方を決定します.

-P

`-xtype'指示語以外で,シンボリックリンクをたどりません(これがデフォ ルトです).

-L

`-xtype'指示語以外で,常にシンボリックリンクをたどります.

-H

検索パスのリストで指定されている,または,コマンドラインで指定されてい るシンボリックリンクをたどります.

findがシンボリックリンクをたどるつもりが,なんらかの理由で不可能 な場合(例えば,十分な権限が無いとか,リンクが壊れているとか),シンボリッ クリンク自身の属性を使用するようになります.シンボリックリンクの取り扱 いの完全な記述は,シンボリックリンク.

式に含めることが可能なすべてのテスト,アクション,そしてオプションの概 要は,See section findのプライマリの索引. 式が無い場合,`-print'が仮定されます.

findは,管理上で使用するため,二つのオプションも認識します.

--help

コマンドライン引数の書式の概要を出力し,終了します.

--version

findのバージョンナンバーを出力し,終了します.


7.1.1 警告メッセージ

findのコマンドラインにエラーがある場合,通常エラーメッセージが出 力されます.しかし,勧められないがfindは受け入れる使用方法もあり ます.この状況では,findは警告メッセージを出力します.デフォルト で,findが対話的に実行されている場合だけ(特に,標準入力が端末の 場合),警告メッセージが利用可能です.警告メッセージはコマンドラインオプ ションで,明示的に制御することが可能です.

-warn

適切なところで警告メッセージを発行します.

-nowarn

警告メッセージを発行しません.

これらのオプションは,コマンドラインで指定されている場所で効果がありま す.このため,`-nowarn'をコマンドラインの最後に指定している場合, それ以前に発生した問題の警告メッセージは表示されません.上記のオプショ ンで変更される警告メッセージは,以下のものに影響します.

上記のデフォルトの動作は,そのような構成の既存のシェルスクリプトで重大 なエラーを生成しない方法で,ユーザが問題に気付くように動作するよう設計 されています.

警告メッセージには,あまり一般的ではない,またはより重要な問題で出力さ れ,それらは停止できません.


7.2 locateの呼び出し

 
locate [option…] pattern
--all
-A

オプションではない引数の,一つまたはそれ以上ではなく,すべての引数にマッ チした名前だけを出力します.

--basename
-b

locateデータベースのファイル名の最後の構成要素に対してマッチする パターンを指定します.最後の構成要素は,"ベース名(base name)"と呼ばれ ます.例えば,`/tmp/mystuff/foo.old.c'のベース名は `foo.old.c'になります.パターンにメタ文字が含まれている場合,ベー ス名に正確にマッチする必要があります.そうでない場合,ベース名の一部が マッチする必要があります.

--count
-c

`--print' (`-p')も指定されていない限り,マッチしたファイル名 を出力する代わりに,見つかったマッチ数だけを出力します.

--database=path
-d path

デフォルトのファイル名のデータベースを検索する代わりに,pathにあ るファイル名のデータベースを検索し,それはコロンで分離されたデータベー スファイル名のリストになります.環境変数LOCATE_PATHを検索するデー タベースファイルに設定する方法も使用可能です.両方使用されている場合, オプションは環境変数に優先します.pathの空の項目(すなわち,先頭と 末尾のコロンや,一行に二つのコロン)は,デフォルトのデータベースとして受 け取ります.`path'の項目で`-'を使用することで,データベースは 標準入力からも提供することが可能です.`path'の一つ以上の`-'が 構成要素にある場合,後のものが無視されます(しかし,警告メッセージは出力 されます).

--existing
-e

(データベースが作成されたときに存在していた名前の代わりに)現在,存在し ている名前だけ出力されます.データベースのマッチが多い場合,プログラム が非常に遅くなることに注意してください.壊れたシンボリックリンクの扱い 方は,`-L',`-P',そして`-H'オプションが影響します.

--non-existing
-E

(データベースが作成されたときに存在していた名前の代わりに)現在,存在し ていない名前だけ出力されます.データベースのマッチが多い場合,プログラ ムが非常に遅くなることに注意してください.壊れたシンボリックリンクの扱 い方は,`-L',`-P',そして`-H'オプションが影響します.

--follow
-L

(`-e'や`-E'オプションで)ファイルの存在を調査する場合,壊れて いるシンボリックリンクは存在しないものとみなします.これはデフォルトで す.

--nofollow
-P
-H

(`-e'や`-E'オプションで)ファイルの存在を調査する場合,壊れて いるシンボリックリンクはファイルが存在しているかのように処理します.こ のオプションの`-H'の形式は,findに類似しているために提供さ れています.`-H'ではなく`-P'の使用が推奨されます.

--ignore-case
-i

パターンとファイル名の両方で,大文字小文字の違いを無視します.

--limit=N
-l N

結果として出力する数をNに制限します.`--count'オプションを使 用している場合,出力される値はこの制限より大きくなりません.

--mmap
-m

受け入れられますが何もしません.このオプションは,BSDのlocateと の互換性を提供するためだけにサポートされています.

--null
-0

結果を,改行文字ではなく,ASCIIのヌル文字で分離します.このオプションの 利便性を完全に利用するため,新しいデータベース書式を使用してください(デ フォルトです).

--print
-p

`--statistics' (`-S')や`--count' (`-c')のために,通 常は出力されない検索結果を出力します.

--wholename
-w

指定されたパターンはを,locateデータベースのファイル名全体に 対してマッチさせます.パターンにメタ文字が含まれている場合,正確にマッ チする必要があります.そうでない場合,ファイル名全体にマッチする必要が あります.これはデフォルトの動作です.

--regex
-r

部分文字列やシェルのglobマッチを使用する代わりに,コマンドラインで指定 されているパターンをPOSIXの拡張正規表現として解釈します.指定されている 正規表現にマッチするlocateデータベースのファイル名が出力(また はカウント)されます.`-i'フラグも与えられている場合,大文字小文字 を区別しません.マッチは,パス名全体に対して実行され,デフォルトではパ ス名は指定されている正規表現のマッチする部分にマッチします.正規表現で は`^'や`$'を,パス名の最初や最後にマッチするものとして使用し ても構いません.

--stdio
-s

受け入れられますが何もしません.このオプションは,BSDのlocateと の互換性を提供するためだけにサポートされています.

--statistics
-S

それぞれのlocateデータベースの概要情報を出力しません.オプショ ン以外の引数が与えられていない限り,検索は実行されません.

--help

locateへのオプションの概要を出力し,終了します.

--version

locateのバージョンナンバーを出力し,終了します.


7.3 updatedbの呼び出し

 
updatedb [option…]
--findoptions='OPTION…'

find渡す大域的なオプションです.環境変数FINDOPTIONSでもこ の値を設定します.デフォルトはありません.

--localpaths='path…'

データベースに書き込むネットワーク以外のディレクトリです.デフォルトは `/'です.

--netpaths='path…'

データベースに書き込むネットワーク(NFS,AFS,RFS等)のディレクトリです. 環境変数NETPATHSでもこの値を設定します.デフォルトはありません.

--prunepaths='path…'

データベースに書き込まないディレクトリで,それ以外は書き込まれます.環 境変数PRUNEPATHSでもこの値を設定します.デフォルトは, `/tmp /usr/tmp /var/tmp /afs'です.パスは正規表現として (find ... -regexのように)使用されるので,これらのパスを findで行うのと同じ方法で指定する必要があります.例えば,パスに最 後のスラッシュを含めてはならないことを意味します.

--prunefs='path…'

データベースに書き込まないファイルシステムで,それ以外は書き込まれます. 当該ファイルシステム以下のファイルが除去されることに注意してください. 期待されないファイルシステム以下にあるファイルシステムはすべて無視され ます.環境変数PRUNEFSでもこの値を設定します.デフォルトは `nfs NFS proc'です.

--output=dbfile

構築されるデータベースファイルです.デフォルトはシステムに依存しますが, 通常は`/usr/local/var/locatedb'です.

--localuser=user

suを使用して,ネットワーク以外のディレクトリを検索するユーザです. デフォルトは,カレントユーザとしてネットワーク以外のディレクトリを検索 します.このユーザを設定するために,環境変数LOCALUSERを使用する ことも可能です.

--netuser=user

suを使用しながら,ネットワークディレクトリを検索するユーザです. デフォルトはdaemonです.このユーザを設定するために,環境変数 NETUSERを使用することも可能です.

--old-format

GNU locateより古いバージョンのlocateとの互換性のため, locateデータベースを古い書式で出力します.このオプションを使 用することは,ファイル名でASCII以外の文字を適切に処理することができなく なる事を意味します(それは,ISO-8859-1文字集合の多くの文字のように,八番 目のビットが設定されている文字を含むファイル名です).

--help

コマンドライン引数の書式の概要を出力して終了します.

--version

updatedbのバージョン番号を出力して終了します.


7.4 xargsの呼び出し

 
xargs [option…] [command [initial-arguments]]

xargsは,以下のステータスで終了します.

0

成功した場合.

123

1-125のステータスで終了されたコマンドの呼出があった場合.

124

コマンドが255のステータスで終了した場合.

125

コマンドがシグナルでキルされた場合.

126

コマンドが実行不可能な場合.

127

コマンドが見つからない場合.

1

その他のエラーが発生した場合.

--arg-file=inputfile
-a =inputfile

標準入力の代わりに,ファイルinputfileから名前を読み込みます.

--null
-0

入力ファイル名を空白の代わりにヌル文字で終端し,引用符とバックスラッシュ は特別扱いされません(すべての文字は,文字通りに扱われます).引数として 扱われるような,ファイル文字列の終端部分を使用不可能にします.

--eof[=eof-str]
-e[eof-str]

ファイル文字列の終端をeof-strに設定します.ファイル文字列の終端が, 入力行に現れた場合,残りの入力は無視されます.eof-strが省略されて いる場合,ファイル文字列の終端はありません.このオプションが与えられて いない場合,ファイル文字列の終端はデフォルトで`_'になります.

--help

xargsのオプションの概要を出力して,終了します.

--replace[=replace-str]
-i[replace-str]

最初から存在する引数にあるreplace-strを,標準入力から読み込まれた 名前に置換します.また,引用符で囲まれていない空白は,引数の終りになり ません.代わりに,入力は改行のみで分割されます.replace-strが省略 されている場合,デフォルトは`{}' になります(`find -exec'に 似ています).`-x'と`-l 1'を暗黙に指定します.

--max-lines[=max-lines]
-l[max-lines]

最大max-linesの空白でない入力行を,コマンドラインごとに使用します. 後置されている空白は,入力行を論理的に次の行に続かせ,それは行を数える 目的のためです.`-x'を暗黙に指定します.

--max-args=max-args
-n max-args

最大max-argsの引数を,コマンドラインごとに使用します. max-argsより引数が少ないときは,サイズ(`-s'オプションを参照 して下さい)を越ていても,`-x'オプションが与えられていない場合はそ れが使用され,それ以外ではxargsは終了します.

--interactive
-p

それぞれのコマンドラインを実行するかどうか,ユーザにプロンプトを表示し, 端末から一行読み込みます.応答が`y'や`Y'で始まっている場合の み,コマンドラインを実行します.`-t'を暗黙に指定します.

--no-run-if-empty
-r

標準入力が全く空行を含まない場合,コマンドを実行しません.デフォルトで, コマンドは入力が無い場合でも一度実行されます.

--max-chars=max-chars
-s max-chars

コマンドと最初からある引数と引数文字列の最後の終端のヌルを含め,最大 max-chars文字をコマンドラインごとに使用します.

--verbose
-t

コマンドラインを実行前に標準エラー出力に出力します.

--version

xargsのバージョンナンバーを出力し,終了します.

--exit
-x

サイズ(`-s'オプションを参照して下さい)を越えた場合,終了します.

--max-procs=max-procs
-P max-procs

一度にmax-procsプロセスまで実行します.デフォルトは1です. max-procsが0の場合,xargsは一度に実行可能な最大数のプロセ スを実行します.


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