3. 不完全な行

入力ファイルが改行ではない文字で終るとき，最後の文字が改行ではないので， その最後の行は不完全な行(incomplete line)と呼ばれます．それ以外の すべての行は完全な行(full lines)と呼ばれ，改行文字で終ります．空白 (see section 1.2 空白とタブのスペースの差を抑制する)の差異が無視されない限り，不完全な行は完全な行にマッ チしません．

不完全な行は，`\'で開始される行が続く完全な行の出力とは，通常区別さ れます．しかし，RCS書式(see section 2.5.3 RCSスクリプト)では，改行もそれに続く行も用い ず，不完全な行をそのまま出力します．並べた書式では，不完全な行を通常その まま表示しますが，場合によっては，段の印として`\'や`/'を使用し ます．if-then-elseの行の書式は，不完全な行を`%L'で保持し，`%l' で改行を破棄します．See section 2.6.2 行の書式. 最後に，edと前置 ed出力書式では(see section 2. diffの出力書式)，diffは不完全 な行を表示することが不可能なので，改行があることを要求し，エラーを報告し ます．

例えば，`F'と`G'が１バイトのファイルで，それぞれ`f'と `g'を含んでいると仮定します．そして，`diff F G'は以下を出力し ます．

1c1
< f
\ No newline at end of file
---
> g
\ No newline at end of file

(正確なメッセージは英語以外のロケールとは異なるでしょう．)`diff -n F G'は，改行を後置すること無く以下を出力します．

d1 1
a1 1
g

`diff -e F G'では，二つのエラーを報告し，以下を出力します．

1c
g
.