[ << ] [ >> ]           [Top] [Contents] [Index] [ ? ]

8. 履歴の閲覧

何時、誰が、どのように、どのファイルを変更したか、 といったバージョン管理の履歴を CVS を使って保存してきたならば、 様々な機構を用いてこの履歴を調べることができます。


8.1 ログ・メッセージ

ファイルを格納する時には、必ずログ・メッセージを記述します。

各リビジョンの格納時に記述されたログ・メッセージを調べる場合、 cvs log コマンドを使用します (see section log--ファイルのログ情報を表示)。


8.2 履歴データベース

様々な CVS の実行履歴を記録するために、 ファイル `history' が使用できます (see section ファイル history)。 ファイル `history' の情報を検索するには、 cvs history コマンドを使用して下さい (see section history--ファイルと使用者の状態を表示)。


8.3 ログ方法を使用者自身が設定する

CVS を用いた様々な作業の履歴は、 利用者自身が選択する方法で記録されます。 CVS は、様々な場面でスクリプトを実行し、 この機構を実現します。 これらのスクリプトには、 ログ・ファイルに情報を追記したり、 開発者グループにメールを送ったり、 特定のニュース・グループに記事を投稿したりするものがあります。 格納時のログ方法は `loginfo' で設定します(see section 管理用ファイル loginfo)。 commit, checkout, export, tag 等を実行した時のログ方法は、 各々オプション `-i', `-o', `-e', `-t' を用いて、 modules ファイルに設定できます。 これらのスクリプトほどのものは必要としない使用者にも、 cvs watch add コマンドを使用して、 様々な告知をする弾力的な方法を提供します(see section 誰に通知するか CVS に教える)。 この方法は cvs watch on を使用していない場合でも利用できます。

誰かが tagrtag コマンドを実行した時に 実行されるプログラムを、`taginfo' ファイルに設定します。 管理用ファイルの標準書式に従い(see section 管理用ファイル便覧)、 `taginfo' の各行には、 正規表現に続いて実行されるコマンドが記述されます。 コマンドに渡される引数を順に挙げると、 タグ名, 操作(tag なら add, tag -F なら mov, tag -d なら del), リポジトリ, 残りは全て ファイル名リビジョン の組 です。 フィルタ・プログラムが非零で終了した場合は、 タグ処理が中止されます。

これは taginfo を使って tag と rtag コマンドのログを取る例です。 taginfo ファイルには以下のものを入れます:

 
ALL /usr/local/cvsroot/CVSROOT/loggit

`/usr/local/cvsroot/CVSROOT/loggit' は以下のスクリプトになってい ます:

 
#!/bin/sh
echo "$@" >>/home/kingdon/cvsroot/CVSROOT/taglog

8.4 コマンド annotate

コマンド: cvs annotate [-flR] [-r rev|-D date] files …

files で指定された各ファイルについて、 幹の先頭リビジョンの内容と、各行が最後に修正された時の情報を、 併せて表示します。 以下に例示します:

 
$ cvs annotate ssfile
Annotations for ssfile
***************
1.1          (mary     27-Mar-96): ssfile line 1
1.2          (joe      28-Mar-96): ssfile line 2

ファイル `ssfile' は現在 2行から成り、 ssfile line 1 という行は 3月 27日に mary が格納しました。 そして 3月 28日に joe が、 ssfile line 1 という行を修正せずに、 ssfile line 2 という行を格納しました。 この報告では、削除されたり修正された行については何も分らないので、 cvs diff を用いる必要があるでしょう(see section diff--リビジョン間の差分の表示)。

cvs annotate へのオプションは CVS コマンドの簡単な便覧 で一覧にされて ていて、annotate するファイルとリビジョンを選択するために使うことがで きます。オプションは 共通のコマンド・オプション でより詳しく説明されています。


[ << ] [ >> ]           [Top] [Contents] [Index] [ ? ]

This document was generated by Akihiro Sagawa on June, 15 2005 using texi2html 1.70.