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17. Automakeの動作の変更

Automakeの様々な機能は,`Makefile.am'のオプションで制御可能です. このようなオプションは,AUTOMAKE_OPTIONSという名前の特別な `Makefile'変数にリストアップすることで,`Makefile'ごとを基本 に適用されます.`configure.ac'のAM_INIT_AUTOMAKEの最初の引 数にリストアップすることで,処理されるすべての`Makefiles'に大域的 に適用されます.現在理解されるオプションは以下のとおりです.

gnits
gnu
foreign
cygnus

適切に厳密さを設定します.gnitsオプションは, readme-alphacheck-newsも暗黙に指定します.

ansi2knr
path/ansi2knr
自動的なde-ANSI-ficationを開始します.See section 8.14 自動的なde-ANSI-fication. パスが前置されてい る場合,生成される`Makefile.in'は,`ansi2knr'プログラムを見 つけるために指定されたディレクトリを探します.パスは(Automakeは現在こ れを調査しませんが),同じ配布物内の他のディレクトリへの相対的なパスに すべきです.

check-news
現在のバージョンナンバーが`NEWS'ファイルの最初の数行に無い場合, make distは失敗します.

dejagnu
dejagnu特有のルールを生成します.See section 15. テストスイートのサポート.

dist-bzip2
dist-bzip2distにフックします.

dist-shar
dist-shardistにフックします.

dist-zip
dist-zipdistにフックします.

dist-tarZ
dist-tarZdistにフックします.

no-define
このオプションは,AM_INIT_AUTOMAKEへの引数として渡すときだけ意 味があります.それはPACKAGEVERSION変数が AC_DEFINEされることを妨げます.

no-dependencies
これは,コマンドラインで`--include-deps'を使用することに似ていま すが,自動的な依存追跡の仕事をするために必要なビットが無い状況で役に立 ちます.See section 8.15 自動的な依存性追跡. この状況では,効率的な自動的な依存追跡に 障害を与えます.

no-dist
distターゲットに関連するコードを生成しません.これは,パッケー ジに独自の配布物を作成する手法があるとき役に立ちます.

no-dist-gzip
dist-gzipdistにフックしません.

no-exeext
`Makefile.am'でターゲット`foo'に対するルールを定義している場 合,`foo$(EXEEXT)'と指名されているターゲットに対するルールに優先 します.EXEEXTが空のとき,これが必要です.しかし,デフォルトで, automakeではこれの使用に対してエラーを発生します.no-exeextオプ ションで,このエラーが発生しないようにします.これは,Windowsや実行形 式の拡張子を使用しているそれ以外のすべてのオペレーティングシステムに移 植する予定の無いパッケージだと分かっている場合のみ使用するものです.

no-installinfo
生成された`Makefile.in'はデフォルトで,infoページをビルドしたりイ ンストールしたりしません.しかし,infoinstall-infoター ゲットは利用可能です.このオプションは`GNU'の厳密さでは拒絶されま す.

no-installman
生成された`Makefile.in'はデフォルトでman pageをインストールしませ ん.しかし,install-manターゲットはオプショナルインストールで利 用可能です.このオプションは`GNU'の厳密さで使用不可能です.

nostdinc
このオプションは,通常Automakeが自動的に供給する標準的な`-I'オプ ションを利用不可能にするために使用することが可能です.

no-texinfo.tex
このディレクトリにTexinfoファイルがあっても,`texinfo.tex'を必要 としません.

readme-alpha
このリリースがアルファリリースで,ファイル`README-alpha'が存在す る場合,それは配布物に加えられます.このオプションが与えられている場合, バージョンナンバーは次の二つの形式のうちの一つだと期待されます.最初の 形式は`MAJOR.MINOR.ALPHA'で,それぞれの要素が数 字です.最後のピリオドと数字は非アルファのリリースのときに捨てられます. 二番目の形式は`MAJOR.MINORALPHA'で,ALPHA は文字列です.それは非アルファのリリースのときに取り除かれます.

std-options
installcheckルールで,インストールされたスクリプトとプログラム が,--help--versionオプションをサポートしているかどう かを調査するようにします.これは,プログラムの実行時の依存性がインストー ル後にも満足しているという基本的な調査も提供します.

状況によって,プログラム(またはスクリプト)でこのテストを免除させる必要 があるかもしれません.例えば,(GNUのsh-utilsの)falseは, --help--versionでさえ,決して成功しません.そのような プログラムは,変数AM_INSTALLCHECK_STD_OPTIONS_EXEMPTでリストアッ プすることが可能です.この変数にリストアップされているプログラム(スク リプトではない)は,Win32やOS/2に対して$(EXEEXT)で接尾子が付きま す.例えば,falseをプログラムとして,true.shをスクリプト としてビルドしようと仮定し,--help--versionをどちらも サポートしないものとします.

 
AUTOMAKE_OPTIONS = std-options
bin_PROGRAMS = false ...
bin_SCRIPTS = true.sh ...
AM_INSTALLCHECK_STD_OPTIONS_EXEMPT = false$(EXEEXT) true.sh

subdir-objects
このオプションが指定されている場合,オブジェクトはソースファイルのサブ ディレクトリに対応する,ビルドディレクトリのサブディレクトリに配置され ます.例えば,ソースファイルが`subdir/file.cxx'の場合,出力ファイ ルは`subdir/file.o'になります.

version
バージョンナンバー(例えば`0.30')が指定可能です.Automakeが,指定 されているバージョンより新しくない場合,`Makefile.in'の作成は行な われません.

-Wcategory or --warnings=category
これらのオプションは,コマンドラインに正確に対応するもののように動作し ます(see section 4. `Makefile.in'の生成).これでファイルごとを基本に,警告のカ テゴリを有効にしたり無効にしたりすることが可能になります.プロジェクト 全体に警告の設定を行なうことも可能です.例えば,`configure.ac'で AM_INIT_AUTOMAKE([-Wall])を試してください.

認識できないオプションはautomakeが判断します.

ツリーの全てのファイルにオプションを適用したい場合, `configure.ac'のAM_INIT_AUTOMAKEを使用することが可能です. See section 5.6 Automakeが提供するAutoconfマクロ.


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This document was generated by Akihiro Sagawa on February, 25 2004 using texi2html