現在、World Wide Web (WWW) では様々な情報が入手できるようになり、 その場所(URI)を「For Your Information(FYI)」として、 メーリングリストやチャット等で共有することが多い。 しかし、それぞれのメーリングリストに所属する人が必ずしもその情報に興味を持っているとは限らず、同様にその逆のケースも考えられる。 後者は考え得る限りの多くのメーリングリストに流すということで回避できるが、 その場合には前者がより大きな問題となる。 また、IRC などのリアルタイムチャットでは、上記の問題のほかに、 その時間にそこに居合わせなかった人にはその情報が伝わらないという事もある。
このシステムでは、FYI 情報を収集しカテゴリ分けを行うことにより、 利用者の嗜好に応じた情報を漏れなく知ることができる 「FYI Database」を提供する。
類似するシステムとして、以下が既に存在している。
IRC にプログラムを常駐させ、 Mu Protocolで規定された形式で発言された情報をブラウザから一覧できるようにしたシステムである。
このシステムでは、単純に URI 及びそれに関する1行コメントを掲載しているだけであり、 趣味嗜好が極めて近いコミュニティでは有用だが、 興味対象が幅広い人が多く所属するコミュニティでは人によっては「ノイズ」となるデータばかり、と言う事もありえる。 また、蓄積を行っていないため、情報はすぐに流れさってしまう。 「一発芸」に向いていると言えよう。
利用者のブラウザに導入するプラグインによって、 現在見ている Web ページに投票をすることができる。 この投票に応じて利用者の趣味嗜好を学習し、 検索結果の重み付やリコメンデーションを行う。
このシステムでは、ブラウザのツールバーを利用することで、 登録の手間を最小限にしている。 また、利用者とカテゴリの関連を自動的に生成しているため、 登録者/閲覧者共にカテゴリ分類を気にする必要が無いが、 利用開始時や興味対象の変化に弱い。
本システムでは、FYI 情報としてリソースの場所を示す URI (Universal Resource Identifier) を対象とする。 また、登録時に選択したカテゴリに応じて、 出力のパーソナライズを行う。 このカテゴリは利用者が自由に追加することができるが、 各カテゴリには必ず利用者が対応するようにする。
同時に、FYI に関連する議論についても可能な限り収集することで、 その情報価値を高める努力を行う。
本システムは、以下の2つの機能からなりたっている。
様々な方法でFYI 情報を収集し、 データベースに蓄積する。 その取得方法ごとに独立して存在し、 今回は IRC、メール、Web を利用する。 IRC、メールでは受動的に参加し、 特定の条件を満たす発言を自動で収集する。 Web では利用者が能動的に登録を行う。 登録の手間を減らすため、 ブラウザの拡張なども考えられる。
データベースに蓄積された情報を、 分類/整理等の処理を行い、 利用者の希望に応じて出力する。 今回は、各利用者が登録したカテゴリの情報を、 ブラウザから一覧できる Web インターフェースを作成する。