Aug 07, 2006

ネットワーク設計の勉強

大学の図書館行って,ネットワーク設計と名の付く本を一応全部 見てきた.20冊弱だったと思う.やはり理工学部の方が強いみたいで, 藤沢では手当たり次第に借りてきても全部借りれちゃうくらいの量しかない.

調べたかったことは,ネットワーク設計にグラフ理論がどれほど使われているか ということだ.予想通り,どのネットワーク設計の本を見ても,グラフ理論, 例えば連結度や最大流のことを考えたネットワーク設計法を紹介している 本は極端に少ない.ネットワーク設計では,冗長性,代替経路の概念を 教えるので精一杯で,普通は「できたら二本にしたほうが冗長で良いです」 くらいしか言っていない.スター型と二重スター型トポロジ, コアがリングになったコア-エッジ型トポロジが図で紹介されていたりするが, 冗長性についてしっかり触れているものは無い.逆に,冗長性の議論に 触れるような書籍は理論のみであり,実践するには適さない.

ネットワーク設計の現場でも,実際にそのような感じだろう. Ethernet の到達可能距離と接続しなければいけない地点間の距離を 考えて,ファイバの敷設経路を考える.距離から 1G SX や LX のメディアを決め, それにあったシングルやマルチのファイバを引く.まあ今時シングルか. 冗長性は,同じファイバを二本引いておき,一本余らせておく. 費用がなかったら冗長性は犠牲になる.

このようにネットワークを設計する場合は,ネットワークは網の目ではなく, 木構造だ.しかし,木構造で作った広域ネットワークを継ぎ足し継ぎ足し していくと,ネットワークは複雑になっていく.全部作り直す金はないのが 通常ではないか.つまり,グラフ構造として複雑なトポロジは,計画して そうしたのではなく,そうなっちゃった,というのが実情だろう. そして,複雑なトポロジをグラフ構造として評価する手法があるのか, 利用されているのか,というのが焦点だった.「ここに回線を一本追加するのは こっちに回線を一本追加するのと比べて良いのか悪いのか」という 比較ができなければ,困るよね,というのが俺の問題意識.

まーとにかく,「ネットワーク設計ってどうやってんの?」ということだ. 借りてきた本は以下.

岩波講座 インターネット〈5〉ネットワーク設計理論 岩波講座 インターネット〈5〉ネットワーク設計理論
滝根 哲哉, 西尾 章治郎, 伊藤 大雄
岩波書店 (2001/06)

ITコンサルタントのためのネットワーク設計ガイド―アーキテクチャと設計・実装・運用マニュアル (Information technology series) ITコンサルタントのためのネットワーク設計ガイド―アーキテクチャと設計・実装・運用マニュアル (Information technology series)
J.F. ディマジオ, J.F. DiMarzio, スリーエーシステムズ
ピアソンエデュケーション (2001/12)

ITコンサルタントのための,というだけあって,初めは依頼主(顧客)との契約内容は いちいち書き留めておきましょう(文書化),依頼主の要求は細かく聞いておきましょう, ~~と言わずに~~と言いましょう,のような,依頼主にどうやって接するかという話. SEの弟が「どうやって(無意味な責任を)被らないようにするかに気を使っている」 と言っていたことが思い起こされる.

簡単な本なので,ネットワーク設計として説明していることは,基本中の基本. 設計として,ネットワークは 10MB で十分か, 1GB 必要か. イーサネットとは,トークンリングとはどういうネットワークなのか. 既存のネットワーク・ホスト装置の装備を良く見てから ネットワークを構築しなくてはいけない,など.当たり前の話. このような内容で設計の2章が終わるので,入門編として以外, 読む価値はほとんど無い.感覚が理解できるようになるかもしれないが, 特定の知識が得られるということは無いと思う.

キャンパスネットワーク設計ガイド キャンパスネットワーク設計ガイド
テリー クイン‐アンドリー, キティ ハラー, Terri Quin‐Andry, Kitty Haller, 阿瀬 はる美, 日本シスコシステムズ
プレンティスホール出版 (1999/03)

マルチメディア・ネットワークの設計 マルチメディア・ネットワークの設計
ジェフ ベーハー, 桜井 豊, Cisco Systems, 日本シスコシステムズ, Jeff Baher
日経BP社 (1996/09)

最後のはPSTNの話で,愛嬌で借りてきた.

あと,トラフィック理論からネットワーク設計するよねということで, 以下も.

電気通信技術者のための 図解トラヒック理論 電気通信技術者のための 図解トラヒック理論
大久保 弘六
東京電機大学出版局 (1987/02)

情報通信トラヒック―基礎と応用 情報通信トラヒック―基礎と応用
秋丸 春夫, 川島 幸之助
電気通信協会 (2000/10)

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